2013年11月30日土曜日

前回の軽率な発言で

最後に「次もまた少しだけ舞台について書きます。」なんて書いてたもんだから
今回もちょっとは舞台のコトを書かなくてはいけないことがわかりました。
初めましての方ははじめまして。
読んだことのある方はいつもお世話になっています。
かがみ屋です。

その時に書こうと思っていたらしき謎の書き置きには

『舞台の組み方とか音響について』という、
自分で残したはずなのに漠然としすぎて最初のイメージを捉えたりそれを広げる言葉が見つかりません。

■舞台の組み方
舞台は劇場の大きさや客席の作り方で見せ方が変わったりします。
そうそう。
舞台ってステージの高さがあったりセットを組んだりしますが
イベントがないときの劇場って、まるで質素な平坦な空間なんです。
ずいぶん昔ですがそれを知った時にとても驚いた記憶があります。
「何もない空間」からセットが組まれていく様子は
真っ白なカンバスと向き合い、最初に色を置く作業に似ているのかもしれませんね。
しかも一人で向かい合うのではなく、皆で一緒に作るわけですね。
まぁ絵なんか描いたことないからまるで分かりませんけど。


そして前回は照明のことを書いたから、
今度は音響のコトという意味なんでしょうね。
■音響のコト
音楽というのは劇中で流れるものから効果音も含め劇中に於いて、とても大きな役割を担います。
なんなら音楽で泣かせることが出来ると思います。
映画だと繰り返し見ることが出来たりサントラがあるから顕著ですね。
シーン展開なども照明さんと密に連携して音の入るタイミングがシビアであったり重ねたり。
聞こえないくらいの大きさで忍ばせてから意識した時には聞こえているというふうにしたり。
流れる音楽の様式によって出し方を変えたりする人もいますね。
あ、スピーカ設置や結線は出来ないんですが、音響オペの見習いみたいなことをやったことがるんです。
「出来る」なんて口が裂けても言えないので触ったことがあるくらいのもんです。

ちょっと思い出したり思い出せなくて必死こいたりしたので、
今回はこの辺で失礼します。


次回の内容は公言せず、その日の気まぐれにします。
テーマや内容の縛りがこなせるほど表現が豊かではないのでご了承ください。
それでは・・・

2013年11月18日月曜日

お久しぶりで御座います。


突然寒い日が続いておりますが、皆様は風邪などひいておられませんでしょうか?
聞き飽きたかもしれませんが、基礎的な手洗いとうがい。
キチンと体を休めることで十中八九、風邪は防げますので出来るだけご自愛くださいね。

どうも、かがみ屋です。
ブログ担当の最近パーマをかけた、パシリこと佐藤潤平です。

最近、地震がまた多いですね。
ちょっと怖い感じもしますけれど元気よくいきます。

本公演が終わり、ひと月が経とうとしています。
演劇界と関わりのない僕の知人が観に来てくれた時に
言われたり聞かれたことを回想も含めてちょっと書いてみます。

その前に、劇場というちょっと特殊な環境について説明致します。
劇場には外の景色を眺めたりするような、採光用の窓がありません。
舞台セットなどを搬入・搬出するための大きな扉こそありますが、
鉄扉で頑丈だったり、多重の扉で防音性を高めていたりします。
理由は外への音漏れを遮断することと、外からの音が入ってくることを防ぐためです。
ロビーから少し奥まったところにホールがあるのは、交響ホールなどもそうですよね。

格好つけて言うと、隔絶した空間を提供するためとでも言うのでしょうか
そして最初に述べたように、自然光を取り入れることもありません。
「完全な暗闇」を作るためですね
完全な暗闇を専門用語では「完全暗転」と言います。
余談ですが暗闇から明るくなるのは「明転」と言います。

大概の場合、観客席の照明が落ちて.完全暗転してから物語が始まります。
お客さんには、これから始まるよという準備の間ですし、
役者からすると、何が起こっても後戻りができない瞬間が到来するわけですね。
注)ワクワクなのかヒヤヒヤなのかは、それぞれ個人差があるようです。

そして暗闇の中で役者さんは立ち位置について照明が入ると
あたかも「最初から居ましたよ然」として立っていたり座っていたりしますね。


『なぜ、暗闇の中で正確な位置に着けるのか?』


ということを疑問に思ったらしく、終演後に聞かれました。
※そんなことよりもコチラは感想を聞かせてほしかったのは内緒です。

中小劇場の現場しか僕は知りませんが、焚能など特殊な場合を除けば
舞台の中央や、ココから先は客席ですよとか、ステージの終端の部分など
幾つかのポイントで蓄光テープが貼ってあります。
ただしあまり多いと、暗闇のなかを蓄光テープの前を通ったりするのが丸わかりだし
イスやテーブルなどに付いていると、暗転直前のシーンなどを思い返してる最中に
「明転したら誰かがイスに座ってるのかしら?」と物語以外の展開を勘繰ったりすると
【観る側の集中を高めるための暗転】という狙いが台無しになってしまうので、
出来るだけ客席から見えにくい位置と、
暗転の時に邪魔にならないけれど見えるサイズというのが求められるわけですね。

そして役者さんによって異なるようですが
『センターの蓄光から直線で奥に4歩、左に2歩、移動すると定位置』とか
『この蓄光が左目で見えなくなる回転位置が決まっている首の角度』など、
状況に合わせた活用方法も個性があります。

ちなみに暗順応の早さも個人差がありますが
僕は暗闇になった瞬間に、どうしたらよいか分からなくなるくらい鳥目です。

蓄光は見えたけど、距離感が分からない。
三半規管の問題なのか暗闇では拍車をかけてバランスが悪く
まっすぐ歩けないなど...鳥目以前の問題が山積みです。


今回の結論
『わずかな光を目指して進め』

次もまた少しだけ舞台について書きます。

2013年11月2日土曜日

今まで敢えて詳細を書きませんでしたが、

作・演出の酒谷一志さんとの馴初めをご紹介をさせていただきます。
かがみ屋の本公演に際して作・演出と、それ以外のあらゆるところで
言葉では尽くせないほどの深いご思慮と、助力をいただいたことに深い感謝を込めて。


酒谷さんと僕の個人的な出会いは、およそ10年前に遡ります。
最初に出会ったのは酒谷さんの主宰されていた劇団の公演。

共通の知り合いの役者さんから声をかけられて本番最終日の、
受付手伝いの、更に手伝いのようなことをして、
公演の打ち上げで前日から継続していた二日酔いから回帰して再度、
お酒がまわってきたころで少しだけ話をしたように思います。

話そのものはそれほど濃い内容だったとは記憶しておりませんが、
暫くたってから偶然、再度お会いすることがありました。

僕は観客だったはずですが、朝まで飲み放題の報酬とか、
そんな理由でバラシの手伝いをしていたときに
スタッフとして携わっていた酒谷さんと、たまたま同じ作業をしていた時のことです。

「たこ焼きって好き?
 じゃあ今度、たこ焼きパーティやるから参加しない?」
みたいな軽いノリで

『長いセリフとか好き?あ、そっか苦手なんだ~。そっかそっか。
 で、今度芝居やるんだけど
 ラストに3ページくらいの長いセリフがある主役で出ない?』
と言われました。

そこからはどう転がったか覚えてませんが、
出演が決まり当然の如く色んなことがあり、絶対に忘れられない舞台になりました。
主役という立場も初めてでしたけれど、宣言された通りラストには長いセリフがあり、
強い思いを吐露するシーンで
呼吸の箇所と回数を指定される演出をつけられたのは生涯初で御座います。

今でこそ偉そうに書きまが、『個人的な感想として」という前提で納めますけれど・・・
作家として、とても繊細で愛しい戯曲を書き
演出家として、役者個人の意識していない生理的なところまで汲んで
「表現」に昇華する才能を持っている方だと思っています。


そんな酒谷一志さんの戯曲で「かがみ屋」の本公演をやらせていただきました。

酒谷さんの主宰する「613」に僕が出演させていただいたのもありましたし、
直接的な関わりが全てではなかったけれど、
実は、3人とも酒谷さんと遠くない相関関係だという事実が浮上したことも重なり

参謀の春口ゆめ嬢が「素敵な思いつきをした時の、とても嬉しそうな笑顔」を浮かべて
『酒谷さんに作・演出をやってもらえないかしら・・?』と言い出しました。
まさに電光石火の速さで主宰の鶴田まや嬢がその場で電話し、
即座に決めてしまうという見事なコンビネーションが決まりました。
僕は息を殺して震えているだけでしたけれど。

まだヨチヨチ歩きさえできない、生まれたてのユニットを
この公演まで引っ張って下さったのは
他でもない、酒谷さんの人徳と素敵な戯曲があってこそだったと思います。

そこに集って客演して下さった魅力あふれる役者さんがいて、
とても素敵なスタッフさんがより一層、素敵な舞台に仕上げてくださいました。


自分たちの公演のことをこんなにベタ褒めして恥も外聞もないようですが、
今回だけと思っています。そしてもう少しだけお付き合いください。
とてもとてもたくさん。
酒谷さんはじめ、多くの方に迷惑をかけたり、手伝っていただいて、
横道に逸れながら補助していただいて、やっと出来た事ですし
出来なかったことや、足りない部分を上げたらキリがないのが実状です。

でもだからこそ、とても素敵な公演が出来たことを
お客様に観ていただけたことを誇りに思っています。
次回のかがみ屋も、
質の高い人間ドラマを提供できるように前に進みたいと思う所存です。

御来場いただいたお客様も、
日程や天候の都合でいらっしゃれなかった方も
ブログだけ読んで下さっている方も。
案内メールを受け取って下さった方も。
分け隔てなく、ひとえに大きな愛を込めて深謝で御座います。

かがみ屋、ブログも公演活動も、まだまだ続きます!